小説用倉庫。
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アィルと別れたヴィオルウスは、宿屋を出てから町のはずれの方に向かっていた。
路地裏の。
暗い道を。
怖れと、決意を秘めた顔で進んでいく。
町の通りの方はあんなに人がいたのに、ここは人影すら見えない。
無人かと思えるほど。
たどり着いたのは、ともすれば見落としがちな、古ぼけた扉の前だ。
ヴィオルウスが扉を叩こうと手を上げ、振り下ろそうとしたところで扉が開く。
音も無く。
開いた扉の付近を見回すが誰も見えず、部屋の中も暗い。
少しためらったあと、おそるおそる中に足を踏み入れる。
来たのは二度目だったが、そのときとはまた違ってきているようだ。
二歩目を踏み出した時、大きな音を立てて扉が閉まった。
慌てて扉に手をかけるが、閉まった扉はびくともしない。
混乱した頭で扉を叩く。
と、不意に何かの気配を感じて動きを止める。
何か。
それとも、誰かか。
振り向くが、そこは完全な闇と化していて何も見えない。
まるで無限の空間のようなそれ。
不意に体が震え、鳥肌が立つ。
何もいない。
見えない。
何も。
(こわい)
こわいなんて事は無いはずなのに。
ただの部屋の中のはずなのに。
何故。
こんなにも。
怯える、なんてことが。
「……何をしに来た」
聞こえてきた低い声に息を呑む。
「答えろ」
路地裏の。
暗い道を。
怖れと、決意を秘めた顔で進んでいく。
町の通りの方はあんなに人がいたのに、ここは人影すら見えない。
無人かと思えるほど。
たどり着いたのは、ともすれば見落としがちな、古ぼけた扉の前だ。
ヴィオルウスが扉を叩こうと手を上げ、振り下ろそうとしたところで扉が開く。
音も無く。
開いた扉の付近を見回すが誰も見えず、部屋の中も暗い。
少しためらったあと、おそるおそる中に足を踏み入れる。
来たのは二度目だったが、そのときとはまた違ってきているようだ。
二歩目を踏み出した時、大きな音を立てて扉が閉まった。
慌てて扉に手をかけるが、閉まった扉はびくともしない。
混乱した頭で扉を叩く。
と、不意に何かの気配を感じて動きを止める。
何か。
それとも、誰かか。
振り向くが、そこは完全な闇と化していて何も見えない。
まるで無限の空間のようなそれ。
不意に体が震え、鳥肌が立つ。
何もいない。
見えない。
何も。
(こわい)
こわいなんて事は無いはずなのに。
ただの部屋の中のはずなのに。
何故。
こんなにも。
怯える、なんてことが。
「……何をしに来た」
聞こえてきた低い声に息を呑む。
「答えろ」
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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