小説用倉庫。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
どのくらい歩いたのか。
もうすでに聞こえる声もなく、風も動かない。
変わらずどんよりと曇った空を、見上げながら歩いていたら何かに躓いた。
不意のことだったのでとっさに対応できず、転んでしまう。
「……いてぇ。何だ?」
手についた何かを払う。べとりとしたそれはなかなか離れなかった。
怪訝に思ってよく見ると、それは髪だった。
血糊もついている。
「何だ、ここ……ッ!」
あたりは一面血の海だった。
所々にもはや原形もとどめぬ肉の塊が転がっている。
あまりの惨状に思わず口を覆う。
――――――ザッ!
「……ッ!!」
突然目の前に落ちてきたそれは、アィルの胸に短剣を突き刺した。
ごぼりと、血が口元から溢れ出す。
鉄の味。
痛みをこらえ、それを見る。
紫の瞳を怒りに染めて、それは叫んだ。
「――失せろ! わたしの中に入ってくるなッ!!」
「ヴィ……!」
声に押された感じだった。
意識が拡散する。
押し流される感触。
(どこに――……)
もうすでに聞こえる声もなく、風も動かない。
変わらずどんよりと曇った空を、見上げながら歩いていたら何かに躓いた。
不意のことだったのでとっさに対応できず、転んでしまう。
「……いてぇ。何だ?」
手についた何かを払う。べとりとしたそれはなかなか離れなかった。
怪訝に思ってよく見ると、それは髪だった。
血糊もついている。
「何だ、ここ……ッ!」
あたりは一面血の海だった。
所々にもはや原形もとどめぬ肉の塊が転がっている。
あまりの惨状に思わず口を覆う。
――――――ザッ!
「……ッ!!」
突然目の前に落ちてきたそれは、アィルの胸に短剣を突き刺した。
ごぼりと、血が口元から溢れ出す。
鉄の味。
痛みをこらえ、それを見る。
紫の瞳を怒りに染めて、それは叫んだ。
「――失せろ! わたしの中に入ってくるなッ!!」
「ヴィ……!」
声に押された感じだった。
意識が拡散する。
押し流される感触。
(どこに――……)
Comment
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞
文章の無断転載及び複製は禁止。
文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
- ご挨拶。(3)
- [長編] Reparationem damni(12)
- [長編] Nocte repono rubei(72)
- [長編] Sinister ocularis vulnus (30)
- [長編] Lux regnum(61)
- [長編] Pirata insula(47)
- [長編] Purpura discipulus(43)
- [長編] Quinque lapidem(29)
- [短編] Canticum Dei(3)
- [短編] Candidus Penna(9)
- [短編] Dignitate viveret,Mori dignitas (11)
- [短編] Praefiscine(3)