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2024/11/24 (Sun)
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2012/02/05 (Sun)
 一片の光すら見えず、近くに人がいるはずなのに見分けもつかない。

 と、突然光るものがあった。
 ルシェイドの右手が光を帯びている。
 その指先が、アィルの胸の赤くなっているところに触れる。
「い……ッ!」
 電気が走ったかのような痛みにアィルは思わず声をあげた。
「黙れ」
 仮借ない言い方でディリクが言う。
 その間も、ルシェイドは何か文字を書いているかのように真剣に手を動かしていた。
 多分短かったであろう時間が過ぎたとき、不意にルシェイドは詰めていた息を吐いた。
「……これでもうヴィオルウスが見えるだろ」

 言うと、薄く灯りがついた。
 先程ディリクが指した場所を見ると、ずっとそこにいたかのようにヴィオルウスが頭をこちらに向けて倒れていた。

「ヴィオルウス!」
 痛みすら忘れて思わず駆け寄る。
 はっとして、ルシェイドとディリクが声をあげる。

「……まだ駄目だ……ッ!」
「触るな! ――アィル!!」

 その言葉は遅かった。
 制止の声に振り返りかけた時には、アィルの右手はすでにヴィオルウスの方に置かれていた。

「アィル!」


 暗転。


 気がつけば先ほどの、薄暗い森の中だった。
 奥だと、言っていた。
 心の中。
 見覚えのないこんな。
 薄暗いところが。

 先程と同じように突然鳥が飛び立つ。
 最も暗い方角。
 その先に向かって。
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