小説用倉庫。
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ぐらりと、足元が揺れたように感じた。
「サキ様!」
レイラがすばやく支える。
震える唇で、サキが問う。
「それは、どういう……」
「そのままじゃ。そうじゃの。さっきの地震……。崩れたのは、あれの所為じゃな」
「そんな……!」
「意外じゃったかの?」
見えぬ目を正確にサキに向け、ヒウリが言う。
「意外だろうよ。いきなりそんなこと言われちゃあな」
「ふむ。では何と言えばよかった?」
「だからもう少しソフトに……」
「それはどういうと、聞いておるのじゃ」
口ごもってしまったラクスにため息をつく。
その目が閉じられたままなのに、こちらを強く射抜く視線を感じる。
居心地の悪さを感じつつも、告げられたことのほうが衝撃が大きい。
「サキ。どう感じようと、これは事実じゃ。起こってしもうたことはどうしようもない」
「……ユゥアは……」
「アールドルたち民と共に落ちたようじゃな」
「そんな……ことが……」
信じられなかった。
ミカゲにも、言われたばかりだったけれど。
占者の予言。
赤い石が、割れると。
それが、こんな意味を持つなんて。
「信じようと信じまいと、すでにそれは起こっておる。しっかりせい」
『この世界は滅びる』
「この世界が、滅びるのか……?」
「何じゃと?」
ふと思い出した言葉を、口の端に乗せる。
「世界が、滅びると、言われたんだ」
少年の。
言葉が頭を回る。
「おんしは何のことを言うておるのじゃ?」
ヒウリが怪訝そうに眉をひそめる。
じっと彼女を見たまま、サキは言葉をつむぐ。
「人間たちのせいで、滅びると……」
愚かなとは言わなかった。
言えなかった。
愚かしくも、それが人間だとは思うから。
思ってしまうから。
ヒウリはため息をついて、肩をすくめた。
「そうじゃな。形あるものはいつかなくなる。それと同じ理屈じゃろうな」
「そんなのんきに言える事なのかよ!」
「仕方なかろう。言うても詮無きことじゃ」
「宝玉は柱と共に。そうも言っていた。どういう意味だろう?」
どこか不安定な眼差しで、サキが問いかける。
「それを破った故に、彼の国が滅びたというのかぇ? ……そんなことを言うたら、他の国も遠からず滅びるの」
その時レイラが良い香りのお茶を持って現われた。
少し前に姿が見えなくなっていたが、どうやらお茶を入れてきたらしい。
「お話はこちらの部屋でなさいませんか? そこは酷いので」
「サキ様!」
レイラがすばやく支える。
震える唇で、サキが問う。
「それは、どういう……」
「そのままじゃ。そうじゃの。さっきの地震……。崩れたのは、あれの所為じゃな」
「そんな……!」
「意外じゃったかの?」
見えぬ目を正確にサキに向け、ヒウリが言う。
「意外だろうよ。いきなりそんなこと言われちゃあな」
「ふむ。では何と言えばよかった?」
「だからもう少しソフトに……」
「それはどういうと、聞いておるのじゃ」
口ごもってしまったラクスにため息をつく。
その目が閉じられたままなのに、こちらを強く射抜く視線を感じる。
居心地の悪さを感じつつも、告げられたことのほうが衝撃が大きい。
「サキ。どう感じようと、これは事実じゃ。起こってしもうたことはどうしようもない」
「……ユゥアは……」
「アールドルたち民と共に落ちたようじゃな」
「そんな……ことが……」
信じられなかった。
ミカゲにも、言われたばかりだったけれど。
占者の予言。
赤い石が、割れると。
それが、こんな意味を持つなんて。
「信じようと信じまいと、すでにそれは起こっておる。しっかりせい」
『この世界は滅びる』
「この世界が、滅びるのか……?」
「何じゃと?」
ふと思い出した言葉を、口の端に乗せる。
「世界が、滅びると、言われたんだ」
少年の。
言葉が頭を回る。
「おんしは何のことを言うておるのじゃ?」
ヒウリが怪訝そうに眉をひそめる。
じっと彼女を見たまま、サキは言葉をつむぐ。
「人間たちのせいで、滅びると……」
愚かなとは言わなかった。
言えなかった。
愚かしくも、それが人間だとは思うから。
思ってしまうから。
ヒウリはため息をついて、肩をすくめた。
「そうじゃな。形あるものはいつかなくなる。それと同じ理屈じゃろうな」
「そんなのんきに言える事なのかよ!」
「仕方なかろう。言うても詮無きことじゃ」
「宝玉は柱と共に。そうも言っていた。どういう意味だろう?」
どこか不安定な眼差しで、サキが問いかける。
「それを破った故に、彼の国が滅びたというのかぇ? ……そんなことを言うたら、他の国も遠からず滅びるの」
その時レイラが良い香りのお茶を持って現われた。
少し前に姿が見えなくなっていたが、どうやらお茶を入れてきたらしい。
「お話はこちらの部屋でなさいませんか? そこは酷いので」
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