小説用倉庫。
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――何故だ――
遠い声。
初めて聞いたような、聞き慣れたような。
そんな曖昧な声が、何者をも見通せぬ闇の中で叫んでいた。
――何故だ。私の願いは唯一つだけ――
哀願する響きは反響しながらも呑まれ、応える筈の者には届かない。
――他の何を引き換えにしても良い。唯その願いが叶うなら――
声の主は周りに溶け込んでしまって見えない。
どの位置に居るのか。
それすらも判別出来ない程、声は他方から響く。
何処に居るのだろう。
声は酷く自分の心を揺さぶる。
それに含まれる哀しみに、絶望に。
呑み込まれそうになる。
――その為に喚んだ。だから――
知らない声のはずなのに。
――だから、願いを叶えろ――
違う。
自分は、知っている筈だ。
この声の。
人物を――――。
――『 ッ!!』――
血を吐くような叫びの余韻を残して、それきり声は途絶えた。
遠い声。
初めて聞いたような、聞き慣れたような。
そんな曖昧な声が、何者をも見通せぬ闇の中で叫んでいた。
――何故だ。私の願いは唯一つだけ――
哀願する響きは反響しながらも呑まれ、応える筈の者には届かない。
――他の何を引き換えにしても良い。唯その願いが叶うなら――
声の主は周りに溶け込んでしまって見えない。
どの位置に居るのか。
それすらも判別出来ない程、声は他方から響く。
何処に居るのだろう。
声は酷く自分の心を揺さぶる。
それに含まれる哀しみに、絶望に。
呑み込まれそうになる。
――その為に喚んだ。だから――
知らない声のはずなのに。
――だから、願いを叶えろ――
違う。
自分は、知っている筈だ。
この声の。
人物を――――。
――『 ッ!!』――
血を吐くような叫びの余韻を残して、それきり声は途絶えた。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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